大判例

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東京高等裁判所 昭和29年(ラ)147号 決定

本件競売開始決定正本は、債務者兼物件所有者高田駿太郎宛昭和二十八年五月二十日その現住所たる東京都中央区銀座東七丁目三番地十一抗告人方において、同居者たる右抗告人に交付せられてその送達を了したこと、次いで昭和二十八年九月一日の第一回競売期日の通知は、右高田駿太郎宛前同所になされたけれども、同人は当時欧米各国に出張不在中の理由で受領を拒まれたので、原裁判所は更に競売期日を昭和二十九年四月九日と定めて同人に対する右競売期日の通知は申立により公示送達を以てこれをなした上、競売手続を進行したことは明らかである。ところで抗告人は右高田駿太郎は昭和二十九年一月以降南米アルゼンチン国ブエノス、アイレスに滞在中であること抗告人提出の上申書並びにこれに添付した郵便物によつて明白であるから、同人に対する送達は民事訴訟法第百七十五条の外国においてなすべき送達の手続によるべきもので、公示送達を以てした右競売期日の通知は不適法であると主張するのであるが、競売手続の他の利害関係人たる前記高田駿太郎に対する競売期日の通知が、適法になされなかつたというようなことは、競売期日の公告の方法が違法な場合と異なり、抗告人としては競落不許の理由となすを得ないことは競売法第三十二条によつて準用せられる民事訴訟法第六百八十一条第二項、第六百七十二条、第六百七十三条の規定に徴し明らかである。従つて右高田駿太郎に対する競売期日の通知が適法になされているか否かを論ずるまでもなく抗告人の主張は抗告適法の理由とならず。

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